コイノニア

"コイノニア"とは何?
 第6回日本伝道会議で取り組むグループ・ミーティング(小グループ活動)のことです。コイノニアでは、第6回日本伝道会議の期間中、全出席者がどこかのグループに属します。同じメンバーで期間中に交わりを深めます。特にクリス・ライト博士の講演を聞いて、それに基づいてディスカッションし、お互いの宣教の重荷や取り組みを分かち合いながら最後には祈って別れます。今回の伝道会議の「目玉」となる営みです。

コイノニア導入の経緯
 小グループの交わりの導入は、2010年にケープタウンで開催されたローザンヌ会議に出席された先生方から「テーブルミーティング(小グループ)は良かった。ぜひ日本伝道会議でも実施しては」というお勧めがあり検討を開始しました。しかし、ローザンヌの資料を見てみますと、異文化体験に基づくダイナミックスさと会議への帰属意識を高めるものとして取り組まれていました。しかし、ローザンヌ会議で良かったからといって、安易に日本伝道会議に取り入れることはできません。本当に取リ入れる価値のある営みであるのかを、もう一度、コイノニア委員会で徹底的に検討しました。今回の伝道会議のテーマのごとくにRe-Visionしました。聖書的に、神学的にも日本伝道会議のプログラムにふさわしい営みとして、コイノニア委員会一同が納得して、プログラム局に実行に移すことを提言し、準備が始まりました。

コイノニアのインパクト ー伝道会議が変わる!プログラム中心の会議から人中心の会議ヘー
 今までの伝道会議は、会議に人が集まること、また、ざまざまなプロジェクトや分科会というプログラムが先ず存在しました。プログラムに人が集まることによって、主の働きを進めて行こうとする基本理念に従って計画ざれてきました。プログラムに人が集まって来て、始めて何かが起こるという考え方です。コイノニアはそれを180度変えます。聖書は人が集まることにこそ、意味があると教えています。今回の伝道会議ではコイノニアの営みを通して、「人」が中心となることを目指します。参加者の皆様が能動的に、自発的に伝道会議に積極的に参加し、他のキリスト者と関わることこそが大切だと考えます。そして、人が集まるところに、主キリストもともにいてくだざることによって、伝道会議を通して、参加者の皆様が、互いに励ましを受け、聖霊による交わりの中で強められ、それぞれの地域教会に戻ったとき、教会の働き・伝道の働きがざらに前進することを目的とします。キリストの教会の働きの鍵は神の人にあるのですから。

コイノニアの基礎 一創造論から一
 神は人を創造ざれたとき、神の似姿に創造ざれました。三位一体の神は神ご自身が愛の交わりを持っておられる神です。神と人とが信仰を通して人格的な交わりの中に成長することを願っておられます。また、神は人が人格的な交わりの中に生きること、愛に生きることを目的として創造ざれました。愛の交わりのない所では、人は生きることができません。だからこそ、コイノニア(交わリ)が私たちには必要なのです。

コイノニアの必要性 一堕罪の現実一
 私たちには単なる交わりではなく、コイノニア(キリスト者の交わり)が必要です。理由は、人間の堕罪の影響の下にあるからです。私たちの罪は、人間同士の関係性を破壊しました。罪のあるところには、傷があり、痛みがあり、人格的な交わりは破壊ざれてしまいます。そして、残念ながらキリストの身体である教会の中であっても、多くの人が、教会内の人間関係、言葉や行動に傷ついて、教会を去っているという悲しい現実を見聞きします。だからこそ、十字架の救いがもたらす罪の赦しと和解の福音による人間関係の回復のメッセージが重要になってきます。同時に、その具体的な現れとして、十字架の赦しと和解に基づき、聖霊の愛によるコイノニア(交わリ)が教会の中でどうしても必要なのです。この交わりのために私たちキリスト者はこの世から呼び出ざれています。

コイノニアの内容
 私たちキリスト者のコイノニア(交わり)は御霊による交わりです。御霊によって、信仰の一致が与えられ、愛の一致が与えられることによって、コイノニア(交わリ)は成立します。この交わりの中に、主イエスご自身が臨在してくだざいます。コイノニア(交わり)の内容を具体的に表現する言葉は「兄弟愛」です。キリスト者お互いがお互いに関心を持ち、お互いのために祈りつつ、お互いの信仰の建て上げのために、建徳的な言動を心がけて行くこと。そして、何よりもともに主イエスを見上げつつ、コイノニア(交わリ)を実リあるものとするためにお互いが心がけていくことです。伝道会議のコイノニアはこのような交わりを目指します。単に知リ合うということから始まったとしても、同じ仲間で伝道会議の期間を過ごすことで、語り合い、重荷を分かち合い、ともに執リなしの祈りをざざげ、交わりを深めます。そして、その交わりが伝道会議の一時的なものだけでなく、会議後もともに祈り、日本の伝道のために、教会建設のために力を合わせる仲間をつくり、コイノニア(交わり)が継続してゆくことができればどんなに幸いでしょうか。

コイノニアの方向性
 最後に私たちキリスト者のコイノニア(交わり)の方向性は決して内向きで終わるものではありません。神の愛と神の交わりが、神ご自身で留まらなかったのと同じように、聖霊によって私たちの心に注がれている神の愛によって、私たちの愛と交わりもまた、私たちの外側へ、まだ福音を知らない永遠の減びに向かっている人々へと向かうものです。特にマタイの福音書で主イエスは「わたしは、あなたがたと共にいる」と語られました。18章20節では人々が信仰に回復するために執りなしの祈リをざざげるように、そして28章20節では宣教大命令の文脈で語られました。お互いのためではなく、その交わりの外にいる人々のために、祈リ、福音を伝える方向性こそが大切なのです。これこそが日本伝道会議のコイノニア(交わリ)の方向性となり得るのです。

Designed by CSS.Design Sample